vol.3

横浜港の経済効果

横浜港 市内の経済波及効果は3割

我が国を代表する国際貿易港・横浜港に関わる産業は、港湾荷役・倉庫・運送などの物流機能、輸出される食品製造業・鉄鋼・石油・輸送機械などの生産機能とこれらに関わる・商社・銀行・保険会社や横浜港の景観を活かした観光施設(ホテル、レジャー・飲食施設)などが、約4兆7億円の所得と約48万人の雇用を創出し、市内経済の波及効果は3割となっています。

客船・コンテナ船1隻の経済効果は最大で2億円超

我が国の輸入貨物の99.6%は海上輸送で、コンテナ船の大型化が進み、市民が物流港を直接目にすることがなくなりましたが、横浜港の貨物取扱量は、東京港に次ぐ2番目、令和2年度実績では、国内外のコンテナ船が28,992隻、貨物取扱量は約9千3百62万トンが扱われました。
コンテナ船が入港すると、入港料、租税、荷役作業料、港湾物流業務、内陸輸送などの業務が発生し、「11万トン=約2億4,600万円」「9万トン=約1億7,900万円」「5万トン=約9,900万円」「9千トン=1,800万円」の経済効果が見込まれます。

ガントリークレーンによるコンテナの積み降ろし

横浜港は世界のコンテナ港湾、351港のコンテナターミナルを対象にしたコンテナ船の滞在時間や荷役技術など様々な効率性を比較したランキングでは世界で最も効率的にコンテナの積み降ろしができる港と評価されています。(世界銀行と調査会社「IHSマークイット」)

ガントリークレーンによるコンテナの積み降ろし

本牧ふ頭

1970(昭和45)年に完成した本牧ふ頭は、コンテナ船の大型化と貨物の増加へコンテナ荷役の効率化などを行い、横浜港の中心的な役割を担っています。さらに、コンテナ貨物取扱量の拡大と定着を図るため、新たなロジスティクス拠点の整備を進め、物流機能を一層強化、横浜港のコンテナ取扱の約5割を扱う主力ふ頭としての重要な物流拠点です。
*ロジスティクス 原材料の調達から消費者の手に届くまで」といった一連の流れを一括で管理するシステム

南本牧ふ頭

南本牧ふ頭は、総合物流拠点として、1990(平成2)年から建設が進められ、水深16m・延長700m連続岸壁や国内最大の水深18m・延長900mの連続岸壁、24列対応のガントリークレーンを擁し、世界最大級のコンテナ船にも対応。全てのターミナルを一体利用し、多方面からの船舶やスケジュール等の対応を可能にしました。さらに物流倉庫や配送サービス拠点、複合物流ターミナルなど総合物流拠点の整備が進んでいます。
また、南本牧ふ頭は横浜市内の公共事業から発生する公共建設発生土や廃棄物等の受け入れ場所としても利用されています。

大黒ふ頭

1971(昭和46)年から埋立てした大黒ふ頭は横浜港初の島式ふ頭で、コンテナバース、ライナーバースをはじめ、合計で25バース(総延長:5,250m)が活動しています。ふ頭内の総合保税地域「横浜港流通センター」は延床面積約32万㎡で国内最大級。また、自動車及び大型建設用機械の取り扱う自動車専用船バースは、日本最大級の1,400mの連続岸壁で、大型自動車専用船5隻、ふ頭全体で11隻の同時着岸が可能です。また、横浜ベイブリッジを通過できない大型客船のクルーズポートとしても対応しています。

クルーズ船、最大に7隻まで同時着岸が可能

1872(明治5)年、日本で初めて横浜―新橋間で鉄道が開業された3年後、横浜港から上海間で日本初の外国定期船航路が開かれました。現在、大型客船は大さん橋、山下ふ頭、みなとみらい地区のハンマーヘッド、大黒ふ頭、本牧ふ頭の5か所に最大で7隻が同時着岸でき、国内外からの発着クルーズ船拠点港として多く利用されています。

大さん橋
ハンマーヘッド
大黒ふ頭

客船が寄港すると、入出港に伴う諸経費をはじめ、給油・食材やアメニティグッズなど各種船用品や乗客のショッピング、観光支出などの経済効果が見込まれます。
例えば5万トンの客船による世界一周クルーズで2億4600万円、国内クルーズでは約6200万円、また、11万トンの客船によるアジアクルーズでは1億2000万円が見込まれ、さらにはクルーズ船着岸時の観光客による観光施設、飲食などの経済波及効果があります。

大さん橋
ハンマーヘッド
大黒ふ頭
写真出典:横浜市